ピオネルスカヤ通りのこのレストランは、シェフのアレクセイ・アレクセーエフ(Aleksey Alekseev、Futurist)による2つ目のソロプロジェクト。Innerは、重要でありながら隠されているものへの扉を開く。レストランの建設には2年をかけ、意味を込め、細部まで練り上げられている。空間は3つに分かれ、それぞれが異なる役割を担う。1つ目のホールは大きな窓と天井の植物図譜、2つ目は禁欲的でどこか教会的、3つ目は教会の食堂を思わせる。

キッチンを率いるのはアレクセイ・アレクセーエフ自身で、慣れ親しんだ国別の枠組みや定番の組み合わせにはとらわれない。

Innerの内装は、デザイナーのエヴゲニア・ウジェゴワ(Evgenia Uzhegova、Eva、Muse、Insiderを手がけた)が担当。空間は簡潔にまとめられ、象徴やメタファーで満たされている。シュティグリッツ美術工業アカデミー工房制作のすりガラスは、質感のある木製の台座と組み合わされ、壁にはペテルブルグの画家ヴェロニカ・ルディエヴァ=リャザンツェワ(Veronika Rudyeva-Ryazantseva)の絵画が飾られ、オープンキッチンはある種の祭壇のような役割を果たす。

トマトのセビーチェにはキムチの風味を加え、鶏のブイヨンにはベーコンのワンタンを合わせ、青トマトのサルサにはアンチョビを添え、キクイモと洋梨のグラタンのソースにはバニラ風味の温めたミルクを使う。