1912年に初めて扉を開いた、長い歴史を持つレストラン。

入口のサラマンダー像や「マヤコフスキーの特別席」から、ヴルーベリの噴水、ヴェネツィアングラスの鏡まで、店内はいたるところに逸話と伝説が息づいている。

ロココ様式の豪華なインテリアは今も色褪せることがなく、パリの古きグランカフェを彷彿とさせながら、同時にPlaza Athenéeのようなミシュランレストランをも思わせる。天井画、ヴェネツィアングラスの鏡、ヴェルサイユ宮殿風の漆喰装飾、幾層にも重なった噴水――歴史はそのまま保たれ、現代的なディテールと調和的に融合している。マリア・ジュコワ(Maria Zhukova)の建築事務所は、家具や重なり合う軽やかなレイヤー、照明によって、空間にさらなる優雅さを加えた。

リニューアルしたレストランの厨房を率いるのは、ブランドシェフのドミトリー・レシェトニコフ(Dmitry Reshetnikov、Mon ChouchouとZazazu)と、シェフのマクシム・エルショフ(Maksim Ershov、元GRACE bistro)。メニューには、オリジナルの解釈とユニークな盛り付けによるクラシックな露仏(ロシア・フランス)料理が並ぶ。キャビアを添えたブリヌイは蝶の形に仕立てられ、オニオンスープは牛のブリスケットの付け合わせとして供され、フォアグラのテリーヌにはクラウドベリーのジュレが添えられる。伝説的なストラスブール風パイ「パテ・アン・クルート」、燻製ブリスケットを添えた酸味のあるシチー(ロシア風キャベツスープ)、霜降り牛肉とポルチーニ茸入りの水餃子なども味わえる。カクテルリストの考案者は、カクテルの歴史研究家でありコミュニティ「Bartender Brothers」の共同創設者でもあるウラジーミル・ジュラヴレフ(Vladimir Zhuravlev)。それぞれのカクテルには、バーテンダーやスタッフが語ってくれる興味深い逸話がある。