Folk TeamとVinicomが手がけたスコルコヴォの郊外型ビストロ。庭付きの広いテラス、独自性のある料理、充実したワインリストが魅力。ENO Bistroは散歩のあとにゆっくり夕食を楽しんだり、遅めの朝食を取ったりする場所として機能している。

スコルコヴォにあるENO Bistroは、都会的なレストラン体験とモスクワ郊外に出かける感覚が結びついた郊外型ビストロとして営業している。近くにはメシェルスキー公園があり、中心部よりも空気が澄んでいる。この空間は、慌ただしい夕食のためではなく、ワインと料理、そして街から離れる時間を長く楽しむために作られている。プロジェクトを手がけたのはFolk TeamとVinicomで、料理とワインが対等に扱われるという二つの軸がすぐに感じ取れる。

当レストランガイドチームの見解では、ENO Bistroの一番の魅力は華やかさではなく、郊外らしい雰囲気そのものと、散歩のあとに立ち寄れる広いテラスにある。

店内は2フロア構成。1階はパノラマ窓と庭への出入り口を備えた広いホール、2階は勾配天井のある、より落ち着いた雰囲気の空間になっている。インテリアを手がけたのはStatic Aesthetic。木材や光、自然素材の質感を多用したディテールは、様式化されたレストラン装飾というより、現代的な郊外の邸宅を思わせる。そのため、家族での食事や、ゆったりとした朝食、静かな夕食の場として自然に受け入れられる。

厨房を率いるのはエドゥアルド・ソロコヴィコフ(Eduard Sorokovikov)。メニューは「採集・狩猟・農業」というコンセプトを軸に組み立てられているが、重要なのはスローガンそのものより、それが皿の上でどう表現されているかだ。ここでは農家直送の野菜、魚、ジビエを使い、全体として季節感を大切にした、落ち着いたトーンの料理が並ぶ。週末には朝食メニューも用意され、散歩のあとに訪れるスタイルとよく合う。シールニキ(カッテージチーズパンケーキ)やキャビア添えのポテトワッフルなど、急かされることのない朝の一皿が揃う。

このプロジェクトにおいてワインは料理の添え物ではなく、独立した中心的な存在として位置づけられている。ワインリストを担当するのはイリーナ・サゾノワ(Irina Sazonova)。ビストロの隣にはテイスティングプログラムを備えたワインショップも併設されている。そのためENO Bistroは、単なるレストランとしてだけでなく、エノガストロノミーディナーや少人数の集まり、ボトル選びが夜の主役になるようなシーンの場としても機能する。夏はグリルブランチと庭付きの大きなテラスがこの側面をさらに引き立てる。

ENO Bistroが最も魅力を発揮するのは、賑やかな都会的オープンの基準で評価される場所としてではなく、静かでワインに重きを置いた郊外レストランとしてだ。広々とした空間、光、テラス、公園散策のあとの朝食、そしてワインとともに過ごす長い夕食——これらが重要な要素になる。そうした視点で見れば、このプロジェクトはより正確に、より誠実に理解できるはずだ。